岐阜大学では、全学的な研究推進を担う機構として研究推進・社会連携機構が設置され、学術研究担当理事のもとに研究推進本部と産学官連携推進本部が設けられている。現在、ABS の対応は研究推進本部の研究推進部門が研究推進課、社会連携課、国際企画課を担当する学術国際部と連携しながら、個別の相談を含む全学的な支援を実施している。現在、留学生への対応の必要性から、全学での取り組みとして各部局の教員で構成されるABS対応組織を構築中である。
図1 岐阜大学の関連組織
大学における海外からの遺伝資源の利用を把握するため、学術研究担当理事名で各部局長に依頼し、実態調査を実施している。対象は機関内の研究者全員とし、海外の遺伝資源の利用の有無、遺伝資源の種類(菌やウイルス、植物等)遺伝資源を入手した国、MTA など手続きに関する書類などを調査項目とした(2014年、2017年)。
図2 ABS関連学内ウェブサイト
大学における海外からの遺伝資源の利用を把握するため、学術研究担当理事名で各部局長に依頼し、実態調査を実施している。対象は機関内の研究者全員とし、海外の遺伝資源の利用の有無、遺伝資源の種類(菌やウイルス、植物等)、遺伝資源を入手した国、MTA など手続きに関する書類などを調査項目とした。(2014年、2017年)
各国の手続き等に関する情報を提供するためにウェブサイトを開設した。海外の遺伝資源や伝統的知識を利用する機関内の研究者や共同研究等の事務担当者を対象としたもので、名古屋議定書の概要や遺伝資源の取得に関するルールを設けている国の一覧、具体的な手続きフローなどを公開している。また、共同研究契約書及び物質移動合意書などの雛形も用意し、随時相談に応じている。
インドネシアにおける遺伝資源のアクセスと利益配分総合ページの英訳を行い、手続きの明確化を図った。契約書作成支援に加え、共同研究先の大学に対し、ABS対応についての協力を依頼するLetterを学術研究担当理事(機構長)名で送付するなどの支援を実施。
また、国際連携専攻(ジョイント・ディグリープログラム)に関わる遺伝資源の取り扱いについて情報共有を実施しながら、進めている。
海外の遺伝資源や伝統的知識を利用する機関内の研究者や共同研究等の事務担当者に対して、普及啓発の取組として、定期的にフォーラムやセミナーを実施し、問題に対する意識向上を図っている。これまで、バイオインダストリー協会や国立遺伝学研究所 ABS 学術対策チームなどの講演を行った。
(2017年4月初版、2019年10月改訂)