利用形態の提供国理解を深めるための施策はなにがあるか?
提供国が一番心配していることは、利用国に入った遺伝資源がどのように利用され、どのような利益を生んでいるのかわからないということである。そういう不安を解消するために名古屋議定書が生まれた経緯がある。
提供国に共同研究者がいる場合は、定期的な研究報告会を開催することは当然であるが、そういう場であっても、政府関係者の出席を求めるなど、できるだけ関係者を集め、研究の進捗を報告することが必要と考えられる。あるいは、別個に報告会などを開催することも重要である。その場合、科学的発表であっても、出席者が理解できる程度になっていなければ意味がない。提供国に共同研究者がいない場合も、定期的な報告会を開くなどの努力が求められる。ローカルメディア等への研究報告の投稿なども効果が得られる可能性がある。