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よくある質問とその回答

質問

生物多様性条約締約国が起源の遺伝資源を、起源国の手続きなしに日本に移動し、日本人が保有している。起源国の法令が整っていない場合、日本の法令で日本人の所有物(特許など)とできるか?

回答

生物多様性条約締約国由来遺伝資源であるので、当然その国の主権的権利が及ぶという原則が適用され、日本の法令が及ぶことはない。起源国の国内関連法令などが整っていない場合、生物多様性条約の条文、特に第15条に対する当該国政府機関の解釈、運用によって、遺伝資源の取り扱いが決定される。ボン・ガイドライン発効後は、それに従うことが基本となる。いずれにしても、起源国の生物多様性条約の解釈がどのようになっているか生物多様性戦略等の資料を綿密に調査し判断することが必要である。したがって、起源国情報がないので即答はできないが、一般的には、日本人が所有権を主張することは困難ではないかと考える。素材移動を行わなかったり、両者で採取された素材を半分にして共有したりする場合が考えられる。手続きには当事者間の契約も必要であるが、それもない場合判断がさらに困難になる。移動した素材を利用した後の権利関係について契約があれば、それにしたがって特許権等の権利を決めることはできる。

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