本来ならば、MATとPICがそろって初めて遺伝資源を利用できる、研究がスタートできるという認識でよいか。インドネシアでの共同研究では、MAT締結を締結しているので、すぐ遺伝資源を利用した研究開始したいが、リスクはあるが締結したMATには特許出願に関する契約を行っており、特許共同出願して、特許は既に公開されている。インドネシアのPICがないのは問題か?
生物多様性条約では、PICとMATがそろわないと研究活動はできない。手順としてはMATを当事者間で交わし、その後政府にPICを提出して許可を得ることになる。これ以外では、一般的にご指摘のようにリスクがある。
インドネシアは現在PICに関する制度がないので、インドネシアの共同研究機関あるいはその研究機関を管轄している上位省庁の判断になる。共同研究機関と相談し、覚書でPICの取り扱いを決めておくのが最良だが、困難な場合がある。相手と誠意をもってよく相談することが必要である。
すでに出願されている特許については、公開ですのでだれでも検索することができる。大抵は問題にならないが、医薬品関連の発明はリスクが高くなる。インドネシアの共同研究者が研究成果をインドネシアなどで発表すれば公開になる。公開になればどのようなリスクがあるかわからないので、できるだけ多くの証拠書類を保存しておくのが、全く無駄になることもあるが賢明である。問題が起こればその対策を考えなくてはならない。