1993年以前から市販され、製品化されている生物由来毒素を研究で利用する場合の対応。
生物由来の毒素は「派生物」であり、これを「遺伝資源」に含め、ABSの対象とする国もありますので、まずはどの国の生物に由来するかをお調べください。続いて、その国の法令でその毒素がABSの対象となっているかどうかを調べる必要があります。
また、ほぼ全ての国において、ABSに関する法整備は「1993年12月29日の生物多様性条約の発効日」以降に進められたため、これ以前に入手されたサンプルについては基本的には法的な問題は無いと考えて良いと思います。(一方で、法の適用の「遡及」を検討しているという話がある国もありますので、当該国での情報を収集する必要があります。)
問題が起こるとすれば、サンプルを用いて大きな利益を生じた場合などに提供国のNGOなどからクレームが寄せられる可能性などが考えられます。しかし、これは法的な問題ではなく、リスク管理としての問題となりますので、各大学・研究機関でのご判断となりますが、質問の状況で基礎研究の研究材料として使用する場合は、ほぼ問題は無いと考えられます。