感染性微生物も生物多様性条約の範囲に入るか?
名古屋議定書における遺伝資源は、ヒトは除外とされている。しかしながら、病原微生物は、遺伝資源であり生物多様性条約の対象となる。病原微生物は、インドネシア政府の鳥インフルエンザの主権的権利主張のように、国外提供拒否の事例もあった。
名古屋議定書の第8条bにおいては、提供国に関する特別な考慮に関しての記載があり、「人、動物又は植物の健康に脅威又は損害を与える現在の又は差し迫った緊急事態であると国内的又は国際的に決定された事態に妥当な考慮を払うこと」と規定され、緊急事態の場合は特別の考慮が払われる。
特別の考慮とは、EU規制においては、公衆衛生緊急事態の原因病原菌であるかその可能性が高いと決定された遺伝資源を獲得する利用者は、脅威が終焉してから1カ月後、又は遺伝資源の利用の開始から3カ月後のうち先に到来した場合においてPICとMAT要件が適用されると成っている。