生物多様性は人類の生存を支え、人類に様々な恵みをもたらすものです。生物に国境はなく、日本だけで生物多様性を保存しても十分ではありません。そこで世界全体でこの問題に取り組むことが重要となります。このため、1992年5月に「生物多様性条約」 が作られました。この条約には、先進国の資金により開発途上国の取組を支援する資金援助の仕組みと、先進国の技術を開発途上国に提供する技術協力の仕組みがあり、経済的・技術的な理由 から生物多様性の保全と持続可能な利用のための取組が十分でない開発途上国に対する支援が行われることになっています。また、生物多様性に関する情報交換や調査研究を各国が協力して行うことになっています。
生物の多様性の保全を目指す国際条約で、以下の3点を目的として掲げています。
条約の中ではさらに「各国の遺伝資源はその国が権利を持ち、その利用(Access)には政府の許可が必要であること」が定められており、目的3.の「遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分(Benefit-Sharing)」と合わせてABSと呼ばれています。この目的3.のABSの実効性を高めるために決められた国際的なルールが「名古屋議定書」です。