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2024/12/02
お知らせ

国際会議報告に「生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)報告」を追加しました。

会議名:生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)
会期 :2024年10月21日~11月1日(実際は2日朝まで)
開催場所: コロンビア カリ
報告書はこちらから

デジタル配列情報に係る利益配分に関するCOP16決定の概要

生物多様性条約第 16 回締約国会議(COP16)は、南米コロンビアの第三の都市サンティアゴ・デ・カリで2024 年10月21日から11月1日の会期(実際は2日朝まで)で開催された。
公式HP:https://www.cbd.int/conferences/2024

議題の一つが、デジタル配列情報(Digital Sequence Information ; DSI)の利益配分の多数国間メカニズムであった。
COP16 に先立つ二回の作業部会で、データベースへの対応依頼に関する5つのカテゴリー分けを含む勧告が作成され、COP16ではその勧告を基に議論が行われ、決定16/2 が採択された。
なお、次回第17回締約国会議(COP17)の開催地はアルメニアの首都エレバンに決定。

■決定16/2の英語原文は下記URLから入手可能。
https://www.cbd.int/doc/decisions/cop-16/cop-16-dec-02-en.pdf

■決定の概要は下記の通り。
・多国間メカニズムは、締約国会議の権限の下 UNDP(国連開発計画)が管理するグローバル基金(カリ基金)となった。
・基金へは、DSI から利益を得る業界の DSI 使用者であって一定以上の規模のものが利益等の1%又は売上の0.1%を目安として拠出するが、拠出率や対象企業規模の目安は2年後のCOP17までの期間に更に検討される予定。
・DSI使用者とは、例えば、医薬品、健康食品、化粧品、動植物育種、バイオテクノロジー、DSIの利用に係る実験機器、及びDSIに係る情報・科学技術サービス。
・学術関係者に関しては「公共データベース、公共研究、公共学術機関は、グローバル基金への金銭的貢献は求められていません」と学術除外を明文化。
・基金からの配分は、生物多様性の保全等の条約の目的の実現を支援し、生物多様性に係る科学研究に貢献し、先住民等に利益をもたらし、及び DSI の生成・分析等に係る能力開発を支援する活動に対して行われる。基金の少なくとも半分は、先住民が指定する組織に直接的に、又は政府を通じて配分される。また、基金の一定の割合がDSIの利用に係る途上国の技術開発の支援のために配分される。
・公的データベースのガバナンスは、情報提供、利益配分の遵守義務の伝達、原産国や関連メタデータの提供、FAIR原則、CARE原則等の考慮、データ登録者などにとどまり、モントリオール勧告に示された原産国の遵守証明書の確認義務は削除された。

■COP16決定16/2において学術に関係の深い項目は、Annexのパラグラフ9およびパラグラフ10である。
パラグラフ9:
公共データベースの運用事業体、公共研究機関、公共学術機関は、グローバル基金への金銭的貢献は求められていません。
パラグラフ10:
遺伝資源のデジタル配列情報に依存するデータベース、ツール、モデルを運用し、遺伝資源のデジタル配列情報を一般に公開する事業体は、以下(a)~(e)の対応を行うことが推奨される(should):
(a) 遺伝資源のデジタル配列情報の利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分に関する多国間メカニズムに関する情報を、データベースにアクセスする人々に提供し、データベースを通じてアクセスした遺伝資源のデジタル配列情報の利用から金銭的利益を生み出す場合、多国間メカニズムを通じてその利益を配分する必要がある可能性があることを強調する。
(b) データ提出者に対し、適用される国内および国際的なアクセスと利益配分義務を遵守するよう求めること。
(c) デジタル配列情報が得られた遺伝資源の原産国に関する情報の提供を要求すること。また、適切である場合には、デジタル配列情報が得られた遺伝資源に関連するメタデータ(遺伝資源に関連する伝統的知識およびその起源または出所を示すことを含む)の提供を要求すること。
(d) データのオープンアクセスに整合するものであり、データのガバナンスに関するfindability、accessibility、interoperability、reusability(FAIR)の原則、collective benefits、control authority、responsibility、ethics(CARE)の原則、および透明性、責任、ユーザー重視、持続可能性、技術(TRUST)の原則を考慮したものであること。また、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の「オープンサイエンスに関する勧告」の第III章に定められた勧告も考慮したものであること。
(e) 遺伝資源のデジタル配列情報を提出する者は、その共有を禁止する制限の対象ではないことを示すよう求める。

以上

 

 

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